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ナーシングホーム智鳥

2017年竣工の「智鳥保育園」に続く、その隣接地での従来型特別養護老人ホーム(特養)「ナーシングホーム智鳥」60床を、ユニット型特養100床に建て替えた。敷地は、南側全体に巾10m程度の水路があり、アクセス困難な土地であった。この水路に橋を架け、開発道路として整備し、生産緑地の解除、農地転用、開発協議、地主との交渉等、その協議に4年以上の歳月を費やし、新築から移転、旧建物の解体から跡地の整備と、一連の事業の完成まで、約6年半にわたるプロジェクトであった。
 建築は、ユニットケアのコンセプトをそのままかたちにしている。2022年よりユニットケアの単位が、10人1ユニットから25人1ユニットに緩和されたことを受け、12室~13室の個室が共同生活室、キッチンを囲む。そのひとつのユニットは、ひとつの家としての玄関を持ち、その2軒の家が集まってひとつのウイングを構成し、そのウイングを東西に配して1フロア50室のプランとした。2階3階の2フロア100室を、1階の事務室・厨房等、サポートする機能が支える構成となっており、また1階の一部にはデイサービス、地域交流スペースも設けられている。採光、通風のために設けられた光井戸は、2つのユニットを貫通し、その吹抜に面して人々の集まる共同生活室、キッチンを配する。プライベートからパブリックへ、段階的に移行する空間構成がこのプランの骨格である。住まう人にも、またそれを支える人にも、わかりやすく使いやすい、そんな施設となることを願う。

所在地      大阪府門真市
主要用途     特別養護老人ホーム・デイサービスセンター
構造       鉄骨造
規模       地上4階
敷地面積     3,446.79㎡/1,042.65坪
建築面積     1,742.06㎡/526.97坪
延床面積     4,268.02㎡/1,291.08坪
設計監理期間   2019/1~2023/8
施工        株式会社林建設、株式会社マツダ・シティーズ

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